弊社はこのほど「鉄鋼・非鉄金属・金属製品業界」を対象に、2020年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「鉄鋼・非鉄金属・金属製品業界 他社牽制力ランキング2020」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2020年に最も引用された企業は、住友電気工業、次いで日本製鉄、日立金属となりました。
【鉄鋼・非鉄金属・金属製品業界 他社牽制力ランキング2020 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
住友電気工業 | 1,980 | |
日本製鉄 | 1,336 | |
日立金属 | 889 | |
JFEスチール | 794 | |
古河電気工業 | 791 | |
神戸製鋼所 | 779 | |
フジクラ | 551 | |
三菱マテリアル | 526 | |
住友金属鉱山 | 279 | |
東洋製罐グループホールディングス | 262 | |
1位 住友電気工業の最も引用された特許は「車両の走行軌跡情報を利用して正確な逆走行判定を行い、その情報を報知できる危険走行情報提供装置」に関する技術で、ROBERT BOSCHなどの計7件の審査過程で引用されています。このほかには「コア材を取り出す作業の際の作業性が良い電気絶縁ケーブル」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、日立金属の「複合ケーブル及び複合ハーネス」など計7件の拒絶理由として引用されています。
2020年に、住友電気工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は矢崎総業(96件)、次いで古河電気工業(58件)、パナソニックIPマネジメント(50件)となっています。
2位 日本製鉄の最も引用された特許は「自動車構成部材用成形部材」に関する技術で、東亜工業、いすゞ自動車の計4件の審査過程で引用されています。このほかには「工場にある、回転機器、加熱圧延機器などの点検装置」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、NEC、東芝などの計4件の拒絶理由として引用されています。
2020年に、日本製鉄の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、JFEスチール(141件)、次いでPOSCO(57件)、神戸製鋼所(34件)となっています。
3位 日立金属の最も引用された特許は「発泡性樹脂を用いることなく、電気特性と機械特性に優れた細径の同軸ケーブル」に関する技術で、東京特殊電線の「多芯通信ケーブル」関連特許4件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2020年に、日立金属の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、住友電気工業(49件)、住友電装(21件)、パナソニックIPマネジメント(19件)となっています。
そのほか、4位 JFEスチールは「汎用的に適用でき、異常を高精度に検知できる異常監視システム」、5位 古河電気工業は「接続構造体、及び半導体装置」が、最も引用された特許として挙げられます。
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