弊社はこのほど「食品業界」を対象に、2022年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「食品業界 他社牽制力ランキング2022」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2022年に最も引用された企業は、味の素、次いでPHILIP MORRIS PRODUCTS、キリンホールディングスとなりました。
【食品業界 他社牽制力ランキング2022 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
味の素 | 350 | |
PHILIP MORRIS PRODUCTS | 314 | |
キリンホールディングス | 299 | |
日本たばこ産業 | 207 | |
サントリーホールディングス | 206 | |
NESTLE | 170 | |
アサヒグループホールディングス | 169 | |
日清製粉グループ本社 | 151 | |
不二製油グループ本社 | 146 | |
明治 | 136 | |
※当ランキングでは、企業グループを考慮した名寄せを行っております。
1位 味の素の特許の中で、「良好な香りを有し、苦味や渋味などが低減されたまろやかな味の茶飲料」に関する技術は、サントリーホールディングスなど計6件の審査過程で引用されています。このほかには「包餡麺帯食品及びその製造方法」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、イートアンドホールディングスなどの計3件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、味の素の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はレゾナック(24件)、次いで大日本印刷(17件)となっています。
2位 PHILIP MORRIS PRODUCTSの最も引用された特許は「喫煙物品の誘導加熱システム」に関する技術で、NICOVENTURES TRADINGや日本たばこ産業などの計17件の審査過程で引用されています。
2022年に、PHILIP MORRIS PRODUCTSの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はNICOVENTURES TRADING(103件)、次いで日本たばこ産業(98件)となっています。
3位 キリンホールディングスの最も引用された特許は「発酵麦芽飲料の製造法」に関する技術で、サントリーホールディングスやサッポロホールディングスなどの計4件の審査過程において拒絶理由として引用されています。このほかには「茶飲料用添加剤」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、サントリーホールディングスの計3件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、キリンホールディングスの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はサントリーホールディングス(31件)、次いでサッポロホールディングス(30件)となっています。
そのほか、4位 日本たばこ産業は「非燃焼タイプ香味吸引物品」、5位 サントリーホールディングスは「高アルコール度のビールテイスト発酵飲料」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2022年12月までに公開された全特許のうち、2022年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2023年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
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