弊社はこのほど「精密機器業界」を対象に、2022年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「精密機器業界 他社牽制力ランキング2022」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2022年に最も引用された企業は、キヤノン、次いでセイコーエプソン、リコーとなりました。
【精密機器業界 他社牽制力ランキング2022 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
キヤノン | 6,954 | |
セイコーエプソン | 4,190 | |
リコー | 3,877 | |
コニカミノルタ | 3,046 | |
大日本印刷 | 2,536 | |
オリンパス | 2,337 | |
富士フイルムビジネスイノベーション | 2,023 | |
凸版印刷 | 1,467 | |
ニコン | 1,432 | |
京セラドキュメントソリューションズ | 855 | |
1位 キヤノンの最も引用された特許は「高い光学性能が得られる広画角の光学系及びそれを有する光学機器」に関する技術で、タムロンやセイコーエプソンなどの計10件の審査過程で引用されています。このほかには「光線追跡法に従って仮想空間の画像を生成するための画像処理装置」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、ティージー情報ネットワークの計7件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、キヤノンの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はコニカミノルタ(502件)、次いでリコー(442件)となっています。
2位 セイコーエプソンの最も引用された特許は「有機EL素子の発光輝度の減衰を抑制することができる発光材料」に関する技術で、住友化学の計14件の審査過程で引用されています。このほか「熱可塑性樹脂粒子を含むインクをノズルから噴射する液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、リコーなどの計6件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、セイコーエプソンの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はリコー(238件)、次いでキヤノン(227件)です。
3位 リコーの最も引用された特許は「入力される判定対象画像データの異常判定装置」に関する技術で、富士フイルムやセイコーエプソンなど計12件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2022年に、リコーの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はコニカミノルタ(424件)、次いでキヤノン(409件)となっています。
そのほか、4位 コニカミノルタは「光学系及びそれを備えた画像投影装置及び撮像装置」、5位 大日本印刷は「樹脂積層板及びタッチパネル」が、最も引用された特許として挙げられます。
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