弊社はこのほど、独自に分類したゼネコン業界の企業を対象に、2014年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「ゼネコン業界 他社牽制力ランキング2014」をまとめました(※)。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2014年に最も引用された企業は、清水建設の459件、次いで鹿島建設の352件、大成建設の345件となりました。
【ゼネコン業界 他社牽制力ランキング2014 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
清水建設 | 459 | |
鹿島建設 | 352 | |
大成建設 | 345 | |
大林組 | 330 | |
竹中工務店 | 287 | |
フジタ | 150 | |
熊谷組 | 106 | |
西松建設 | 93 | |
戸田建設 | 86 | |
三井住友建設 | 84 | |
1位清水建設の最も引用された特許は、富士化学との共同出願である「基板上に諸機能を有する膜を形成するための無機高分子化合物」に関する特許(特願2000-326435)で、後発の特許5件の審査過程において拒絶理由として引用されており、この5件はいずれも住友ゴム工業の特許となっています。このほかには「使用していないトンネルや配管などを撤去して埋め戻すための装置」に関する特許(特許第3581619号)や「二重床の吹出孔から室内に給気する全面床吹き出しシステム」に関する特許(特許第5051577号)などが引用件数の多い特許として挙げられます。
2014年全体を通じて清水建設の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は大成建設となっており、大林組、竹中工務店と続いています。
2位鹿島建設の最も引用された特許は、コマツとの共同出願である「掘進機(特許第3154405号)」で、後発の特許4件の審査過程において拒絶理由として引用されており、この4件はいずれも奥村組の特許となっています。このほかには「津波対策構造(特許第4607035号)」や、アルモ設計、新晃工業との共同保有である「データセンターのコンピューター室用空気調和機」に関する特許(特許第5543181号)などが引用件数の多い特許として挙げられます。
2014年全体で、鹿島建設の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は大成建設となっており、大林組、清水建設と続いています。
3位大成建設の最も引用された特許は、「レーザー光による高強度繊維の切断方法及び装置(特願平4-299701)」で、後発の特許4件の審査過程において拒絶理由として引用されています。企業別には三菱レイヨンと東レの各2件となっています。このほかには、大見忠弘氏(東北大学名誉教授)、熊谷組、高砂熱学工業、日立製作所との共同保有である「気体に加湿、除湿、昇温、冷却などの空調プロセスを行う高効率気体温湿度調整用装置」に関する特許(特許第4521847号)などが引用件数の多い特許として挙げられます。
2014年全体を通じて、大成建設の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は大林組となっており、鹿島建設、清水建設と続いています。
日本特許庁に特許出願され、2014年12月までに公開されたすべての特許のうち、2014年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
※本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2015年3月末時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
※業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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