弊社はこのほど、独自に分類したゼネコン業界の企業を対象に、2015年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「ゼネコン業界 他社牽制力ランキング2015」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2015年に最も引用された企業は、清水建設の412件、次いで鹿島建設の326件、大成建設の323件となりました。
【ゼネコン業界 他社牽制力ランキング2015 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
清水建設 | 412 | |
鹿島建設 | 326 | |
大成建設 | 323 | |
大林組 | 283 | |
竹中工務店 | 262 | |
フジタ | 138 | |
熊谷組 | 84 | |
前田建設工業 | 83 | |
三井住友建設 | 79 | |
戸田建設 | 66 | |
1位清水建設の最も引用された特許は、「室奥にまで均一に自然光を届かせることのできるブラインド」に関する特許(特許第3700098号)および「外断熱構法による外壁構造」(特願2000-165108)で、それぞれ後発の特許4件の審査過程において拒絶理由として引用されており、企業別にみると、前者はケイミューの4件、後者は大日本印刷の4件となっています。
2015年に引用された清水建設の412件の特許を分野別にみると「耐震・制振・免震」「基礎」などの技術が多くなっています。
2位鹿島建設の最も引用された特許は、平石久廣氏(明治大学教授)、奥村組、竹中工務店など7社と1名の共同保有特許である「鉄筋コンクリート梁における開口部回りの補強構造」(特許第4557711号)で、後発の特許3件の審査過程において拒絶理由として引用されており、企業別には日本スプライススリーブの2件、長谷工コーポレーションの1件となっています。このほかには、能美防災、日立造船、エンジニアリング振興協会との共同保有特許である「消防隊員による消火や救助などの防災活動を支援する防災総合システム」(特許第4381767号)などが引用件数の多い特許として挙げられます。
2015年に、鹿島建設の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は清水建設の25件で、大林組の17件、大成建設の11件と続いています。
3位大成建設の最も引用された特許は、「変位角測定装置」(特願2003-40594)で、後発の特許4件の審査過程において拒絶理由として引用されています。企業別にはNTTファシリティーズの3件、関西電力の1件となっています。このほかには「せん断補強部材」(特許第5654725号)や「構造物直下地盤の液状化防止方法」(特願平8-191397)などが引用件数の多い特許として挙げられます。
2015年に、大成建設の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は清水建設の22件で、大林組の21件、鹿島建設の19件と続いています。
日本特許庁に特許出願され、2015年12月までに公開されたすべての特許のうち、2015年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
※本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2016年3月末時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
※業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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