弊社はこのほど、独自に分類した自動車メーカーの企業を対象に、2016年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「自動車メーカー 他社牽制力ランキング2016」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2016年に最も引用された企業は、トヨタ自動車、次いで日産自動車、本田技研工業となりました。
【自動車メーカー 他社牽制力ランキング2016 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
トヨタ自動車 | 8,293 | |
日産自動車 | 3,824 | |
本田技研工業 | 3,310 | |
マツダ | 1,264 | |
豊田中央研究所 | 869 | |
三菱自動車工業 | 720 | |
ヤマハ発動機 | 717 | |
スズキ | 655 | |
SUBARU | 627 | |
ダイハツ工業 | 406 | |
1位トヨタ自動車の最も引用された特許は、「ワイヤレス給電のコイル」に関する特許(特許第4453741号)で、後発の特許8件に審査の過程で拒絶理由として引用されています。企業別にはTDKの2件をはじめ、三菱電機エンジニアリング、東芝、LG INNOTEK、矢崎総業などとなっています。このほかには、トヨタホームとの共同保有である「複数台の電気自動車やハイブリッド車に対する充電制御」(特許第4333798号)や、DOW GLOBAL TECHNOLOGIES(DOW CHEMICAL)との共同保有である「リチウムイオン電池用リン酸鉄型正極」に関する特許(特許第5174803号)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2016年に、トヨタ自動車の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はデンソー(472件)、次いで本田技研工業(467件)、マツダ(319件)と続いています。
2位日産自動車の最も引用された特許は、3年連続で「住宅と電気自動車間の電力マネジメントシステム」(特許第3985390号)となり、後発の特許10件に審査の過程で拒絶理由として引用されており、企業別にはシャープの2件をはじめ、パナソニック、トヨタ自動車、パナソニック、京セラ、ダイワハウスなどとなっています。このほかには「走行パターン生成装置」(特許第4470311号)や「電気自動車用状態表示装置」に関する特許(特許第5544983号)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2016年に、日産自動車の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はトヨタ自動車(487件)となっており、本田技研工業(262件)、デンソー(210件)、マツダ(116件)と続いています。
3位本田技研工業の最も引用された特許は、「携帯機器と連携した車載機器を用いてコンテンツを自動的に投稿するためのシステム」(特許第5616142号)で、後発の特許9件に審査の過程で拒絶理由として引用されており、企業別には、アルパインの3件、ミックウェアの2件をはじめ、NEC、トヨタ自動車、アイシン・エイ・ダブリュ、コナミデジタルエンタテインメントとなっています。このほかには「船舶用水冷エンジンの発電装置」に関する特許(特願2009-094909)や、「電動車両への電力供給装置」に関する特許(特許第5077701号)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2016年に、本田技研工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はトヨタ自動(378件)となっており、デンソー(168件)、マツダ(114件)、スズキ(111件)と続いています。
日本特許庁に特許出願され、2016年12月までに公開されたすべての特許のうち、2016年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2017年4月21日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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