弊社はこのほど、独自に分類したゴム製品業界の企業を対象に、2016年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「ゴム製品業界 他社牽制力ランキング2016」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2016年に最も引用された企業は、ブリヂストン、次いで横浜ゴム、住友ゴム工業となりました。
【ゴム製品業界 他社牽制力ランキング2016 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
ブリヂストン | 1,296 | |
横浜ゴム | 671 | |
住友ゴム工業 | 660 | |
東洋ゴム工業 | 352 | |
住友理工 | 279 | |
バンドー化学 | 107 | |
Michelin | 104 | |
三ツ星ベルト | 92 | |
The Goodyear Tire and Rubber | 87 | |
ニッタ | 76 | |
1位ブリヂストンの最も引用された特許は、「低発熱性に優れたタイヤ」に関する特許(特願2009-253385)で、後発の特許13件の審査過程で拒絶理由として引用されており、この13件はいずれも住友ゴム工業と三菱化学の共同出願特許となっています。次いで、「太陽電池用の封止膜」に関する特許(特願2010-134678および特願1992-330742)や、「耐偏摩耗性能とウェット性能を向上させたタイヤ」に関する特許(特許第5449200号)などが挙げられ、それぞれ後発の特許4件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2016年に、ブリヂストンの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は住友ゴム工業(199件)、次いで横浜ゴム(110件)、東洋ゴム工業(69件)と続いています。
2位横浜ゴムの最も引用された特許は、昨年に引き続き「製造コストを低減し、耐久性の向上を図ったタイヤ」に関する特許(特許第4501326号)で、後発の特許12件の審査過程で拒絶理由として引用されており、この12件は全てブリヂストンの特許となっています。このほかには「パンク防止用の密封層を内貼りしたタイヤ」に関する特許(特許第4371472号)や「タイヤ骨格部材を改良して製造コスト低減と耐久性向上を図ったタイヤ」に関する特許(特願2001-303562)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2016年に、横浜ゴムの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はブリヂストン(128件)、次いで、住友ゴム工業(116件)、東洋ゴム工業(35件)となっています。
3位住友ゴム工業の最も引用された特許は、「テニスラケット及びボールの挙動を高精度に測定する方法」に関する特許(特願2000-323205)や、「耐擦傷性や耐剥離性に優れた塗膜で被覆されているゴルフボール」に関する特許(特願1999-192258)などが挙げられ、それぞれ後発の特許6件の審査過程で拒絶理由として引用されています。このほかには、「転がり抵抗特性と耐摩耗性を両立したタイヤ用ゴム組成物」に関する特許(特願2010-030500)が引用された件数の多い特許として挙げられます。
2016年に、住友ゴム工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はブリヂストン(140件)、次いで、横浜ゴム(93件)、東洋ゴム工業(42件)となっています。
日本特許庁に特許出願され、2016年12月までに公開されたすべての特許のうち、2016年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2017年4月21日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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