株式会社パテント・リザルトはこのほど、独自に分類した医薬品業界の企業を対象に、2017年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「医薬品業界 他社牽制力ランキング2017」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2017年に最も引用された企業は、Novartis、次いでPfizer、F. HOFFMANN LA ROCHEとなりました。
【医薬品業界 他社牽制力ランキング2017 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
NOVARTIS | 331 | |
PFIZER | 305 | |
F. HOFFMANN LA ROCHE | 283 | |
MERCK SHARP & DOHME | 215 | |
武田薬品工業 | 203 | |
GENENTECH | 165 | |
BAYER INTELLECTUAL PROPERTY | 151 | |
第一三共 | 129 | |
ASTRAZENECA | 128 | |
AMGEN | 125 | |
1位Novartisの最も引用された特許は、「高濃度抗体及びタンパク質製剤」に関する特許(特許第4869064号)で、後発の特許5件の審査過程で拒絶理由として引用されています。次いで、「コンタクトレンズ」に関する特許(特許第4485360号)が多く、JOHNSON & JOHNSON VISION CAREの特許3件を含む後発の特許4件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2017年に、Novartisの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はJOHNSON & JOHNSON VISION CARE(15件)、次いで、F. HOFFMANN LA ROCHE(9件)、ABBVIE(6件)となっています。
2位Pfizerの最も引用された特許は、「性能を高めた医薬組成物」に関する特許(特願2007-514203)で、全てがDOW GLOBAL TECHNOLOGIESの特許7件の審査過程で拒絶理由として引用されています。このほかには「睡眠障害の処置」に関する特許(特許第4402882号)や「pH依存性の抗原結合を有する抗体」に関する特許(特許第5932670号)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2017年に、Pfizerの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はF. HOFFMANN LA ROCHE(8件)とDOW GLOBAL TECHNOLOGIES(8件)、次いで、ABBVIE(7件)と続いています。
3位F. HOFFMANN LA ROCHEの最も引用された特許は、「CNS障害の処置のためのベンズアミド誘導体の使用」に関する特許(特願2010-518626)で、後発の特許7件の審査過程で拒絶理由として引用されています。次いで、「三重又は四重特異性抗体」に関する特許(特許第5719354号)が、後発の特許4件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2017年に、F. HOFFMANN LA ROCHEの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はGENENTECH(7件)、次いで、中外製薬(4件)、日立ハイテクノロジーズ(4件)、大日本印刷(4件)、BECTON DICKINSON(4件)、東ソー(4件)、MEDTRONIC MINIMED(4件)、の6社が続いています。
日本特許庁に特許出願され、2017年12月までに公開されたすべての特許のうち、2017年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2018年5月7日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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