株式会社パテント・リザルトはこのほど、独自に分類した食品業界の企業を対象に、2018年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を企業別に集計した「食品業界 他社牽制力ランキング2018」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2018年に最も引用された企業は、味の素、次いでキリンホールディングス、日本たばこ産業となりました。
【食品業界 他社牽制力ランキング2018 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
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味の素 | 288 | |
キリンホールディングス | 262 | |
日本たばこ産業 | 163 | |
明治ホールディングス | 154 | |
アサヒグループホールディングス | 152 | |
サントリーホールディングス | 151 | |
不二製油グループ本社 | 146 | |
日清オイリオグループ | 121 | |
NESTEC | 114 | |
日清製粉グループ本社 | 108 | |
1位味の素の最も引用された特許は、一昨年、昨年に続いて「多層プリント配線板などに用いられる樹脂組成物」に関する特許(特許第5786327号)で、LG CHEM、積水化学工業、リンテックのそれぞれ特許2件ずつ、アイカ工業の特許1件の合計7件の審査過程で拒絶理由として引用されています。このほかには「低たんぱくで、エビまたはカニ蒲鉾様の食感を有する低たんぱくエビ、カニ蒲鉾様食品」に関する特許(特許第5874644号)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2018年に味の素の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はCJ CHEILJEDANG(韓)(12件)、次いで花王(9件)となっています。
2位キリンホールディングスの最も引用された特許は、「飲料・食品用のPET容器について、軽量・薄肉でも座屈変形し難い形状のプラスチック容器」に関する特許(特許第5030823号)で、大日本印刷の3件、サントリーホールディングスの1件の審査過程において拒絶理由として引用されています。このほかには「飲食品有害菌の検査」に関する特許(特許第3853744号)や、「免疫機能活性が促進された免疫機能分子」に関する特許(特許第4368530号)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2018年にキリンホールディングスの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はアサヒグループホールディングス(26件)、次いで大日本印刷(17件)、サントリーホールディングス(15件)となっています。
3位日本たばこ産業の引用された件数の最も多い特許は、「香味発生装置」に関する特許(特許第2984657号)で、PHILIP MORRIS PRODUCTS(スイス)の2件など、合計6件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2018年に日本たばこ産業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はPHILIP MORRIS PRODUCTS(22件)で、BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS)(英)(10件)、R.J. REYNOLDS TOBACCO HOLDINGS(米)(7件)と続いています。
(注):企業グループ作成のため、名寄せの対象とした企業は下記の通りです。
「アサヒグループHD」:アサヒグループホールディングス、アサヒビール、
アサヒビールモルト、アサヒグループ食品、アサヒ飲料、
カルピス、ニッカウイスキー、日本エフディ
「キッコーマン」:キッコーマン、キッコーマンバイオケミファ、キッコーマンソイフーズ、
日本デルモンテ、マンズワイン
「キリンHD」:キリンホールディングス、キリン、キリンエンジニアリング、
キリンテクノシステム、キリンビール、キリンビバレッジ、メルシャン、
協和発酵キリン、協和発酵バイオ
「サッポロHD」:サッポロビール、ポッカサッポロフード&ビバレッジ
「サントリーHD」:サントリーホールディングス、サントリー食品インターナショナル、
サントリーフラワーズ、サントリー酒類
「ニチレイ」:ニチレイ、ニチレイフーズ、ニチレイバイオサイエンス
「ハウス食品グループ本社」:ハウス食品グループ本社、ハウス食品、
ハウスウェルネスフーズ
「MIZKAN HOLDINGS」:MIZKAN HOLDINGS、ミツカン、中埜酢店、MizkanSanmi-pro
「雪印メグミルク」:雪印メグミルク、雪印食品、雪印種苗
「日清製粉グループ本社」:日清製粉グループ本社、日清製粉、日清フーズ、日清ファルマ、
日清エンジニアリング、日清製粉プレミックス、
日清ペットフード、NBCメッシュテック、
オリエンタル酵母工業、マ・マーマカロニ
「日本たばこ産業」:日本たばこ産業、ジェイティエンジニアリング、富士フレーバー、
テーブルマーク、鳥居薬品
「不二製油グループ本社」:不二製油グループ本社、オーム乳業
「宝ホールディングス」:宝ホールディングス、宝酒造、タカラバイオ
「味の素」:味の素、味の素ゼネラルフーヅ、クノール食品
「明治HD」:明治、Meiji Seika ファルマ、明治飼糧、大蔵製薬
日本特許庁に特許出願され、2018年12月までに公開されたすべての特許のうち、2018年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2019年5月7日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
ランキングデータの販売
本ランキングの詳細データを、下記の通り販売しています。
食品業界 他社牽制力ランキング2018 ご提供データ
1)ランキングトップ50社
食品業界の被引用件数上位50社のランキング
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食品業界の被引用件数上位100件および引用先の特許との対応を掲載
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その他、審査官引用分析に関する特定企業の調査依頼も別途承ります。