株式会社パテント・リザルトはこのほど、大学・研究機関を対象に、2018年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された件数を機関別に集計した「大学・研究機関 他社牽制力ランキング2018」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な機関が明らかになります。
集計の結果、2018年に最も引用された機関は、産業技術総合研究所、次いで科学技術振興機構、東京大学となりました。
【大学・研究機関 他社牽制力ランキング2018 上位10機関】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
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産業技術総合研究所 | 1,061 | |
科学技術振興機構 | 419 | |
東京大学 | 283 | |
東北大学 | 263 | |
東京工業大学 | 226 | |
京都大学 | 225 | |
大阪大学 | 201 | |
理化学研究所 | 190 | |
鉄道総合技術研究所 | 188 | |
UNIVERSITY OF CALIFORNIA | 182 | |
1位 産業技術総合研究所の最も引用された特許は、「応力発光構造物および応力発光構造物の製造方法」(特願2005-245063;拒絶査定により特許権なし)で、全てが大日本印刷の特許6件の審査過程で拒絶理由として引用されています。次いで、東京ガスと共同保有の「窒素製造に適したケミカルループ式燃焼装置とそれを用いた窒素および水素の製造方法」に関する特許(特許第5757630号)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2018年に産業技術総合研究所の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はパナソニック(22件)、次いで、リコー(19件)、東芝(16件)およびデンソー(16件)となっています。
2位 科学技術振興機構の最も引用された特許のうち、現在権利が継続している特許は、「透明薄膜電界効果型トランジスタ」(特許第4164562号)で、全てが半導体エネルギー研究所の特許4件の審査過程で拒絶理由として引用されています。このほかには「ポリ(チオアリーレン)化合物の製造法」に関する特許(特許第3145324号;満了により特許権なし)、「ダチョウを用いた抗体、及びその作製方法」に関する特許(特許第4487051号)、「薄膜トランジスタ及びその製造方法」に関する特許(特許第4620046号)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2018年に科学技術振興機構の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は東芝(10件)、次いで、リコー(9件)、NTT(8件)となっています。
3位 東京大学の最も引用された特許のうち、現在権利が継続している特許は、中外製薬と共同保有の「抗CLDN6抗体」(特許第5848863号)で、後発の特許4件の審査過程で拒絶理由として引用されています。このほかには、大阪大学と共同保有の「治療用磁気コイルユニット」(特許第5896109号)などが引用された件数の多い特許として挙げられます。
2018年に東京大学の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はNTT(7件)と大日本印刷(7件)、次いで、パナソニック(6件)および東芝(6件)となっています。
日本特許庁に特許出願され、2018年12月までに公開されたすべての特許のうち、2018年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2019年5月7日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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