弊社はこのほど「エンジニアリング業業界」を対象に、2020年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「エンジニアリング業業界 他社牽制力ランキング2020」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2020年に最も引用された企業は、栗田工業、次いでJFEエンジニアリング、オルガノとなりました。
【エンジニアリング業業界 他社牽制力ランキング2020 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
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栗田工業 | 295 | |
JFEエンジニアリング | 287 | |
オルガノ | 147 | |
東芝プラントシステム | 109 | |
日立パワーソリューションズ | 99 | |
日鉄エンジニアリング | 90 | |
神鋼環境ソリューション | 81 | |
メタウォーター | 76 | |
水ing | 69 | |
東レエンジニアリング | 67 | |
1位 栗田工業の最も引用された特許は「低い操作圧で効率よく膜分離を行い、低エネルギー量で高濃度の濃縮液を得られる膜分離方法および装置」に関する技術で、東洋紡の5件の審査過程で引用されています。このほか「重金属錯体含有排液の処理方法」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、東ソーの「ニッケル含有水溶液の浄化方法」の4件の拒絶理由として引用されています。
2020年に、栗田工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はオルガノ(31件)、次いで住友重機械エンバイロメント(11件)、東芝(10件)となっています。
2位 JFEエンジニアリングの最も引用された特許は「廃家電製品の処理方法」に関する技術で、JFEスチールなどの計3件の審査過程で引用されています。このほかには「水の脱塩処理方法および装置」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、大阪ガスとKRIの計2件の拒絶理由として引用されています。
2020年に、JFEエンジニアリングの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、日本製鉄(13件)、次いでJFEスチール(12件)、川崎重工業、日立造船(いずれも5件)となっています。
3位 オルガノの最も引用された特許は「石炭ガス化排水の処理システム」に関する技術で、三菱環境パワーソリューションの「排水処理システムおよびそれを備えた石炭ガス化発電設備」関連など計3件の審査過程で拒絶理由として引用されています。
2020年に、オルガノの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、栗田工業(27件)、次いで東芝、東芝インフラシステムズ(いずれも4件)となっています。
そのほか、4位 東芝プラントシステムは「マイクログリッドの電力需給調整システム」、5位 日立パワーソリューションズは「機械設備の外部環境が大きく変動しても、適切に異常予兆の有無を診断する異常予兆診断装置」が、最も引用された特許として挙げられます。
日本特許庁に特許出願され、2020年12月までに公開されたすべての特許のうち、2020年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2021年5月1日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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