弊社はこのほど「情報通信業界」を対象に、2020年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「情報通信業界 他社牽制力ランキング2020」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2020年に最も引用された企業は、NTT、次いでNTTドコモ、NECプラットフォームズとなりました。
【情報通信業界 他社牽制力ランキング2020 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
NTT | 1,813 | |
NTTドコモ | 820 | |
NECプラットフォームズ | 392 | |
IBM | 385 | |
KDDI | 380 | |
ヤフー | 297 | |
日本放送協会 | 281 | |
MICROSOFT | 260 | |
日立ソリューションズ | 217 | |
野村総合研究所 | 191 | |
※当ランキングでは、企業グループを考慮した名寄せを行っております。
2位 NTTドコモの最も引用された特許は「D2D通信(ユーザ装置間通信)をサポートする移動通信システム」に関する技術で、LG ELECTRONICSなどの計5件の審査過程で引用されています。このほかには「ビームフォーミングを行う基地局とユーザ装置とを有する無線通信システム」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、シャープなどの計5件の拒絶理由として引用されています。
2020年に、NTTドコモの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、HUAWEI TECHNOLOGIES(59件)、次いでNEC(58件)、ソニーグループ(35件)となっています。
3位 NECプラットフォームズの最も引用された特許は「モバイルルータとクレードルを接続する際、上下逆にしても接続可能な仕様のコネクタ」に関する技術で、キヤノンの「コネクタが大型化せず、汎用性も高い、USB規格による通信を行う撮像装置」関連特許など計3件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2020年に、NECプラットフォームズの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、NEC(22件)、次いで三菱電機(16件)、富士通(14件)となっています。
そのほか、4位 IBMは「結合ノイズ、即ちクロス・トークを顕著に減衰させた印刷回路導体」、5位 KDDIは「自動走行終了時に運転者への操縦引渡しが不可能な場合においても安全に車両を停車可能とする技術」(KDDI総合研究所、京セラと共同出願)が、最も引用された特許として挙げられます。
日本特許庁に特許出願され、2020年12月までに公開されたすべての特許のうち、2020年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2021年5月1日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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