弊社はこのほど「自動車部品業界」の特許を対象に、2021年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「自動車部品業界 他社牽制力ランキング2021」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2021年に最も引用された企業は、デンソー、次いでアイシン、日立Astemoとなりました。
【自動車部品業界 他社牽制力ランキング2021 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
デンソー | 5,273 | |
アイシン | 1,775 | |
日立Astemo | 1,175 | |
住友電装 | 1,127 | |
矢崎総業 | 910 | |
ジェイテクト | 662 | |
豊田合成 | 463 | |
SOKEN | 409 | |
小糸製作所 | 382 | |
マレリ | 368 | |
※当ランキングでは、企業グループを考慮した名寄せを行っております。
1位 デンソーの最も引用された特許は「受取人が不在の場合でも配達物の受け渡しを確実に行える車両用配達物受取装置」に関する技術で、トヨタ自動車などの計23件の審査過程で引用されています。このほかには「状況に応じて自在な場所に配車可能な自動配車システム」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、ヤマハ発動機などの計9件の拒絶理由として引用されています。
2021年に、デンソーの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はトヨタ自動車(452件)で、次いで三菱電機(269件)となっています。
2位 アイシンの最も引用された特許は「トランスミッション周囲の空間の広狭に関わらず搭載できる安価な電動オイルポンプ」に関する技術で、日本電産トーソクなどの計6件の審査過程で引用されています。このほかには「自動運転制御走行の為のより適切な推奨経路を探索できる経路探索システム」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、日産自動車などの計5件の拒絶理由として引用されています。
2021年に、アイシンの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、トヨタ自動車(166件)、次いで本田技研工業(132件)となっています。
3位 日立Astemoの最も引用された特許は「移動体の将来位置を高精度に予測することができる移動体軌道予測システム」に関する技術で、本田技研工業など計7件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2021年に、日立Astemoの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、デンソー(120件)で、次いでトヨタ自動車(88件)となっています。
そのほか、4位 住友電装は「電力供給が遮断されても他の電装品システムは駆動する電力分配装置」、5位 矢崎総業は「キャップ本体からの発泡性のシール材の膨張圧力による洩れ出しを防止する電線端末用キャップ」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2021年12月までに公開されたすべての特許のうち、2021年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2022年4月15日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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