弊社はこのほど「電気機器業界」の特許を対象に、2021年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「電気機器業界 他社牽制力ランキング2021」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2021年に最も引用された企業は、パナソニックホールディングス、次いで三菱電機、東芝となりました。
【電気機器業界 他社牽制力ランキング2021 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
パナソニックホールディングス | 11,861 | |
三菱電機 | 6,136 | |
東芝 | 6,035 | |
日立製作所 | 5,377 | |
ソニーグループ | 4,501 | |
シャープ | 4,282 | |
富士通 | 3,328 | |
NEC | 3,020 | |
三洋電機 | 2,175 | |
京セラ | 1,789 | |
※当ランキングでは、企業グループを考慮した名寄せを行っております。
1位 パナソニックホールディングスの最も引用された特許は「非極性面又は半極性面を主面とし、偏光光を発光する活性層を含む窒化物系半導体積層構造を備えた半導体発光素子」に関する技術で、ディスコと日亜化学工業の計19件の審査過程で引用されています。このほかには「方向性が無く、Q値の大きな積層インダクタ」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、村田製作所の計7件の拒絶理由として引用されています。
2021年に、パナソニックホールディングスの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は三菱電機(487件)で、次いでキヤノン(201件)となっています。
2位 三菱電機の最も引用された特許は「視聴者の快適性および退屈させない工夫をした車載情報表示制御装置」に関する技術で、日本精機などの計13件の審査過程で引用されています。このほかには「自律的な自動走行による自動駐車を円滑に行える自動駐車システム」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、日産自動車やデンソーなどの計7件の拒絶理由として引用されています。
2021年に、三菱電機の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、パナソニックホールディングス(320件)で、次いでデンソー(204件)となっています。
3位 東芝の最も引用された特許は「照明機器、表示装置などに実装した際の生産性が高い半導体発光素子」に関する技術で、ディスコの計12件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2021年に、東芝の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、三菱電機(192件)で、次いでパナソニックホールディングス(172件)となっています。
そのほか、4位 日立製作所は「ドライバに合致した格付けや帳票を自動作成することで安全指導員の負担軽減を図る安全運転診断装置」(損害保険ジャパン日本興亜との共願)、5位 ソニーグループは「複数種類のサブタトル情報を並行して伝送する送信装置」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2021年12月までに公開されたすべての特許のうち、2021年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2022年4月15日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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