弊社はこのほど「食品業界」を対象に、2021年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「食品業界 他社牽制力ランキング2021」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2021年に最も引用された企業は、味の素、次いでキリンホールディングス、PHILIP MORRIS PRODUCTSとなりました。
【食品業界 他社牽制力ランキング2021 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
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味の素 | 303 | |
キリンホールディングス | 277 | |
PHILIP MORRIS PRODUCTS | 229 | |
日本たばこ産業 | 207 | |
サントリーホールディングス | 188 | |
アサヒグループホールディングス | 159 | |
NESTLE | 150 | |
日清製粉グループ本社 | 136 | |
明治 | 121 | |
キユーピー | 116 | |
※当ランキングでは、企業グループを考慮した名寄せを行っております。
1位 味の素の最も引用された特許は「通常の食事を摂取できない患者等のための、濃厚流動食や各栄養素を総合的に含んだ栄養組成物」に関する技術は、テルモの計5件の審査過程で引用されています。このほか「高たんぱくで、栄養組成物の導入が簡便にでき、味や風味を損なわず投与できる栄養組成物」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、テルモ、NESTLEなどの計5件の拒絶理由として引用されています。
2021年に、味の素の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は昭和電工マテリアルズ(11件)、次いで住友ベークライト、テルモ(7件)となっています。
2位 キリンホールディングスの最も引用された特許は「日光臭を簡易かつ効果的に抑制したビールや発泡酒等の発酵麦芽飲料」に関する技術で、サントリーホールディングスとアサヒビールの計3件の審査過程で引用されています。このほかには「免疫賦活作用を増強する乳酸菌免疫賦活作用増強組成物」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、サンエイ糖化などの計3件の拒絶理由として引用されています。
2021年に、キリンホールディングスの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、アサヒグループホールディングス(33件)、サッポロホールディングス(23件)となっています。
3位 PHILIP MORRIS PRODUCTSの最も引用された特許は「電気式喫煙物品の誘導加熱システム」に関する技術で、日本たばこ産業などの計17件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2021年に、PHILIP MORRIS PRODUCTSの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、NICOVENTURES TRADING(65件)で、次いでKT & G(57件)となっています。
そのほか、4位 日本たばこ産業は「電気ヒーターで液体状原料を加熱して香味を生成する香味生成物品」、5位 サントリーホールディングスは「飲料の外観を損ねず、異味を付与しないで、比較的多量の精油を飲料に含有させる技術」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2021年12月までに公開されたすべての特許のうち、2021年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2022年4月15日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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