弊社はこのほど「ハウスメーカー業界」を対象に、2021年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「ハウスメーカー業界 他社牽制力ランキング2021」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2021年に最も引用された企業は、ミサワホーム、次いで積水ハウス、大和ハウス工業となりました。
【ハウスメーカー業界 他社牽制力ランキング2021 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
ミサワホーム | 228 | |
積水ハウス | 180 | |
大和ハウス工業 | 167 | |
トヨタホーム | 101 | |
住友林業 | 92 | |
旭化成ホームズ | 82 | |
パナソニックホームズ | 75 | |
三井ホーム | 24 | |
住友林業ホームテック | 7 | |
サンヨーホームズ | 4 | |
1位 ミサワホームの最も引用された特許は「降雨量が少なくても軒樋内の雨水を吸い出すことができるサイフォン式雨樋装置」に関する技術で、積水化学工業となどの計3件の審査過程で引用されています。このほかには「浴室ドア等に使用される換気装置付きドア」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、TOTOの計3件の拒絶理由として引用されています。
2021年に、ミサワホームの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はトヨタホーム(18件)、次いで積水化学工業(17件)、大和ハウス工業(12件)となっています。
2位 積水ハウスの最も引用された特許は「滑りを向上させて、長尺体の移動に伴う発泡性材料の脱落を防止することが可能な耐火部材」に関する技術で、未来工業と積水化学工業の計3件の審査過程で引用されています。このほか「化粧プレートや操作用ハンドルなどといった外部に露出する部材に、従来には無い新たな機能を付与し、利用用途の幅を拡大する方法」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、パナソニックIPマネジメントとアマノの計3件の拒絶理由として引用されています。
2021年に、積水ハウスの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、旭化成ホームズ(14件)、大和ハウス工業(11件)、次いでトヨタホーム(9件となっています。
3位 大和ハウス工業の最も引用された特許は「利便性の高い宅配ボックス」に関する技術で、トヨタ自動車などの計5件の審査過程で拒絶理由として引用されています。
2021年に、大和ハウス工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、竹中工務店(8件)、次いでパナソニック、旭化成ホームズ(いずれも7件)となっています。
そのほか、4位 トヨタホームは「住宅内に設置された各機器を操作端末により操作可能とする住宅用機器制御システム」、5位 住友林業は「太陽熱を蓄積し、室内へ放射することによって暖房効果を得る太陽熱蓄熱装置」が、最も引用された特許として挙げられます。
日本特許庁に特許出願され、2021年12月までに公開されたすべての特許のうち、2021年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2022年4月15日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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