弊社はこのほど「半導体製造装置業界」の特許を対象に、2021年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「半導体製造装置業界 他社牽制力ランキング2021」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2021年に最も引用された企業は、東京エレクトロン、次いでSCREENホールディングス、APPLIED MATERIALSとなりました。
【半導体製造装置業界 他社牽制力ランキング2021 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
東京エレクトロン | 825 | |
SCREENホールディングス | 441 | |
APPLIED MATERIALS | 234 | |
ディスコ | 224 | |
アルバック | 165 | |
東京精密 | 150 | |
芝浦メカトロニクス | 135 | |
キヤノンアネルバ | 98 | |
アドバンテスト | 96 | |
LAM RESEARCH | 95 | |
1位 東京エレクトロンの最も引用された特許は「シリコンウェハ等の基板に付着したパーティクルを除去する性能が高い基盤洗浄システム」に関する技術で、SCREENホールディングスとJSRの計4件の審査過程で引用されています。このほかには「基板容器からの蓋体の着脱、蓋体が取り外された基板容器からの基板の出し入れが可能なロードロック装置」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、APPLIED MATERIALSなどの計3件の拒絶理由として引用されています。
2021年に、東京エレクトロンの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はAPPLIED MATERIALS(82件)で、次いでSCREENホールディングス(80件)となっています。
2位 SCREENホールディングスの最も引用された特許は「画像検査装置及びその再印刷指定方法およびそれを備えた印刷装置」に関する技術で、コニカミノルタの計3件の審査過程で引用されています。このほか「対象面の表面形状を考慮し、適切な3次元軌道を生成する3次元軌道生成装置」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、センシンロボティクスなどの計3件の拒絶理由として引用されています。
2021年に、SCREENホールディングスの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、東京エレクトロン(72件)で、次いでコニカミノルタ(11件)となっています。
3位 APPLIED MATERIALSの最も引用された特許は「リソグラフィマスクの用途のためのホウ素リッチ膜のエンジニアリング」に関する技術で、東京エレクトロンの計4件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2021年に、APPLIED MATERIALSの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、東京エレクトロン(31件)で、次いでLAM RESEARCH(12件)となっています。
そのほか、4位 ディスコは「デバイスの品質および抗折強度を低下させない、ウェーハの分割方法」、5位 アルバックは「ワークの保持力を確保しつつ粘着層の貼り替えを容易に行える表面処理用のワーク保持体」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2021年12月までに公開されたすべての特許のうち、2021年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2022年4月15日時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類しています。
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