弊社はこのほど「自動車メーカー業界」を対象に、2022年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「自動車メーカー業界 他社牽制力ランキング2022」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2022年に最も引用された企業は、トヨタ自動車、次いで本田技研工業、日産自動車となりました。
【自動車メーカー業界 他社牽制力ランキング2022 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
トヨタ自動車 | 7,127 | |
本田技研工業 | 3,112 | |
日産自動車 | 2,853 | |
マツダ | 980 | |
豊田中央研究所 | 776 | |
SUBARU | 708 | |
三菱自動車工業 | 659 | |
スズキ | 591 | |
ヤマハ発動機 | 533 | |
ダイハツ工業 | 335 | |
1位 トヨタ自動車の最も引用された特許は「全固体電池の容量維持率を向上させることが可能な硫化物固体電解質の製造方法」に関する技術で、古河機械金属などの計7件の審査過程で引用されています。このほかには「回転電機ステータ及びその製造方法」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、アイシンや日立製作所などの計6件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、トヨタ自動車の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は本田技研工業(568件)、次いでデンソー(499件)となっています。
2位 本田技研工業の最も引用された特許は「必要な場面に限定して被遠隔運転を行うことが可能な車両制御システム」に関する技術で、トヨタ自動車などの計7件の審査過程で引用されています。このほか「適切な遠隔操作者に遠隔運転を実行させることができる遠隔運転制御装置」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、トヨタ自動車などの計6件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、本田技研工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はトヨタ自動車(465件)、次いでデンソー(167件)です。
3位 日産自動車の最も引用された特許は「運転者異常時支援装置」に関する技術で、SUBARUや本田技研工業など計6件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2022年に、日産自動車の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はトヨタ自動車(467件)、次いで本田技研工業(227件)となっています。
そのほか、4位 マツダは「車両用フロントウインドのヒータ装置」、5位 豊田中央研究所は「永久磁石およびその製造方法」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2022年12月までに公開された全特許のうち、2022年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2023年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
ランキングデータの販売
本ランキングの詳細データを、下記の通り販売しています。
自動車メーカー業界 他社牽制力ランキング2022 ご提供データ
1)ランキングトップ30社
自動車メーカー業界の被引用件数上位30社のランキング
2)被引用件数上位100件のリスト
自動車メーカー業界の被引用件数上位100件および引用先の特許との対応を掲載
価格:50,000円(税抜)
【納品形態】
上記データを収録したエクセルファイルをメールで御納品。
データ一式を収録したCD-Rでの御納品をご希望の場合にはご相談ください。
その他、審査官引用分析に関する特定企業の調査依頼も別途承ります。