弊社はこのほど「電気機器業界」を対象に、2022年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「電気機器業界 他社牽制力ランキング2022」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2022年に最も引用された企業は、パナソニックホールディングス、次いで三菱電機、東芝となりました。
【電気機器業界 他社牽制力ランキング2022 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
パナソニックホールディングス | 11,470 | |
三菱電機 | 6,296 | |
東芝 | 6,098 | |
日立製作所 | 5,259 | |
ソニーグループ | 4,433 | |
シャープ | 4,040 | |
富士通 | 3,257 | |
NEC | 2,848 | |
三洋電機 | 2,062 | |
京セラ | 1,723 | |
※当ランキングでは、企業グループを考慮した名寄せを行っております。
1位 パナソニックホールディングスの最も引用された特許は「交通サービス事業者の負担が増大することなく、利用者の利便性を向上できるデマンド型運行システム」に関する技術で、トヨタ自動車や日産自動車などの計13件の審査過程で引用されています。このほかには「消費電力を抑えつつ、ユーザにとって快適な空気調和装置の制御を行うことができる空調制御方法」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、三菱電機などの計9件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、パナソニックホールディングスの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は三菱電機(441件)、次いでトヨタ自動車(281件)となっています。
2位 三菱電機の最も引用された特許は「視聴者の快適性および退屈させない工夫をした車載情報表示制御装置」に関する技術で、本田技研工業などの計8件の審査過程で引用されています。このほか「スケール(硬度成分、硫酸塩、ケイ酸成分、金属イオン等を含む結晶状の生成物)成分の除去装置及び給湯器」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、パナソニックホールディングスの計6件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、三菱電機の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はデンソー(299件)、次いでパナソニックホールディングス(272件)です。
3位 東芝の最も引用された特許は「X線光導電層もしくはシンチレータ層を一体に形成したX線検出器」に関する技術で、ミネベアミツミの計26件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2022年に、東芝の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は三菱電機(220件)、次いでパナソニックホールディングス(195件)となっています。
そのほか、4位 日立製作所は「道路交通に関して危険情報を自動収集し、ドライバに注意を促して事故を未然に防止する情報送信装置」、5位 ソニーグループは「次世代ワイヤレスシステムにおけるランダムアクセス」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2022年12月までに公開された全特許のうち、2022年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2023年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
ランキングデータの販売
本ランキングの詳細データを、下記の通り販売しています。
電気機器業界 他社牽制力ランキング2022 ご提供データ
1)ランキングトップ50社
電気機器業界の被引用件数上位50社のランキング
2)被引用件数上位100件のリスト
電気機器業界の被引用件数上位100件および引用先の特許との対応を掲載
価格:50,000円(税抜)
【納品形態】
上記データを収録したエクセルファイルをメールで御納品。
データ一式を収録したCD-Rでの御納品をご希望の場合にはご相談ください。
その他、審査官引用分析に関する特定企業の調査依頼も別途承ります。