弊社はこのほど「電力・ガス・石油業界」を対象に、2022年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「電力・ガス・石油業界 他社牽制力ランキング2022」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2022年に最も引用された企業は、出光興産、次いで大阪ガス、中国電力となりました。
【電力・ガス・石油業界 他社牽制力ランキング2022 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
出光興産 | 575 | |
大阪ガス | 462 | |
中国電力 | 377 | |
ENEOS | 366 | |
東京ガス | 339 | |
東京電力ホールディングス | 265 | |
関西電力 | 174 | |
EXXONMOBIL CHEMICAL PATENTS | 112 | |
中部電力 | 99 | |
東邦ガス | 63 | |
※当ランキングでは、企業グループを考慮した名寄せを行っております。
1位 出光興産の最も引用された特許は「リチウム電池用電極材料シート」に関する技術で、富士フイルムや本田技研工業などの計5件の審査過程で引用されています。このほかには「酸化物半導体を用いた電界効果型トランジスタ」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、半導体エネルギー研究所の計5件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、出光興産の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は半導体エネルギー研究所(76件)、次いでトヨタ自動車、MERCK(いずれも14件)となっています。
2位 大阪ガスの最も引用された特許は「燃焼排ガス中の二酸化炭素のメタン化方法」に関する技術で、三菱マテリアルの計6件の審査過程で引用されています。このほか「蓄電池制御システム」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、東京ガスや日立製作所などの計4件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、大阪ガスの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は東京ガス(29件)、次いでハーマン(19件)です。
3位 中国電力の最も引用された特許は「使用者が片手で携帯端末装置を操作する際の利便性を向上する携帯端末装置」に関する技術で、末次功憲氏の計3件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2022年に、中国電力の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はパナソニックホールディングス(16件)、次いで東芝(13件)となっています。
そのほか、4位 ENEOSは「透明導電薄膜の製造法」、5位 東京ガスは「温水機器用リモコンへのコンテンツ配信を可能にしたコンテンツ管理サーバ」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2022年12月までに公開された全特許のうち、2022年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2023年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
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