弊社はこのほど「エンジニアリング業業界」を対象に、2022年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「エンジニアリング業業界 他社牽制力ランキング2022」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2022年に最も引用された企業は、栗田工業、次いでJFEエンジニアリング、オルガノとなりました。
【エンジニアリング業業界 他社牽制力ランキング2022 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
栗田工業 | 331 | |
JFEエンジニアリング | 286 | |
オルガノ | 140 | |
日立パワーソリューションズ | 111 | |
日鉄エンジニアリング | 97 | |
東レエンジニアリング | 79 | |
東芝プラントシステム | 78 | |
水ing | 77 | |
タクマ | 68 | |
神鋼環境ソリューション | 67 | |
1位 栗田工業の最も引用された特許は「熱交換器の熱源コストを低減することができる超純水製造装置」に関する技術で、三浦工業やオルガノなどの計3件の審査過程で引用されています。このほかには「低コストでホウ素濃度を基準値以下とすることができるホウ素含有水の処理方法」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、住友金属鉱山などの計2件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、栗田工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はオルガノ(39件)、次いで野村マイクロ・サイエンス、水ing(いずれも11件)となっています。
2位 JFEエンジニアリングの最も引用された特許は「誘導型歩行補助システム」に関する技術で、トヨタ自動車などの計4件の審査過程で引用されています。このほか「急速充電装置」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、古河電気工業などの計4件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、JFEエンジニアリングの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はJFEスチール(14件)、次いで日本製鉄(11件)です。
3位 オルガノの最も引用された特許は「逆浸透膜処理方法および逆浸透膜処理システム」に関する技術で、三浦工業の「水処理システム」関連特許など計2件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2022年に、オルガノの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は栗田工業(25件)、次いで野村マイクロ・サイエンス(8件)となっています。
そのほか、4位 日立パワーソリューションズは「異常予兆検知システム及び異常予兆検知方法」、5位 日鉄エンジニアリングは「制振鉄骨構造物」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2022年12月までに公開された全特許のうち、2022年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2023年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
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