弊社はこのほど「ゼネコン業界」を対象に、2022年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「ゼネコン業界 他社牽制力ランキング2022」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2022年に最も引用された企業は、清水建設、次いで大成建設、竹中工務店となりました。
【ゼネコン業界 他社牽制力ランキング2022 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
清水建設 | 456 | |
大成建設 | 365 | |
竹中工務店 | 338 | |
鹿島建設 | 334 | |
大林組 | 327 | |
フジタ | 140 | |
前田建設工業 | 110 | |
熊谷組 | 93 | |
戸田建設 | 87 | |
三井住友建設 | 80 | |
1位 清水建設の最も引用された特許は、昨年と同様に「予め設定した場所とは違う場所で建物検査を行う際の検査支援装置」に関する技術で、高砂熱学工業や沖電気工業などの計4件の審査過程で引用されています。このほかには「建設作業用ロボット」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、積水ハウスなどの計3件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、清水建設の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は大成建設(29件)、次いで竹中工務店(26件)、鹿島建設(25件)となっています。
2位 大成建設の最も引用された特許は「空間の温度などの環境物理要素の3次元空間分布をリアルタイムで把握できる空調環境モニタリングシステム」に関する技術で、三菱電機の計5件の審査過程で引用されています。このほか「トンネル用段取り筋構造および覆工コンクリート用鉄筋の設置方法」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、フジタなどの計4件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、大成建設の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、清水建設(35件)、次いで竹中工務店(25件)、鹿島建設(22件)となっています。
3位 竹中工務店の最も引用された特許は「駐車場における非常時送電制御システム」に関する技術で、ダイヘンやトヨタ自動車など計4件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2022年に、竹中工務店の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、清水建設(30件)、次いで大成建設(24件)となっています。
そのほか、4位 鹿島建設は「無人飛行体を用いた監視装置」、5位 大林組は「建設向け立体造形用セメント質材料」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2022年12月までに公開された全特許のうち、2022年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2023年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
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