弊社はこのほど「情報通信業界」を対象に、2022年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「情報通信業界 他社牽制力ランキング2022」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2022年に最も引用された企業は、NTT、次いでNTTドコモ、KDDIとなりました。
【情報通信業界 他社牽制力ランキング2022 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
NTT | 1,769 | |
NTTドコモ | 793 | |
KDDI | 449 | |
NECプラットフォームズ | 423 | |
IBM | 373 | |
ヤフー | 372 | |
日本放送協会 | 281 | |
MICROSOFT | 240 | |
HUAWEI TECHNOLOGIES | 218 | |
楽天グループ | 214 | |
※当ランキングでは、企業グループを考慮した名寄せを行っております。
1位 NTTの最も引用された特許は「デジタル放送で広告を提供する方法」に関する技術で、TVS REGZAの「放送信号送受信システム」関連特許など計5件の審査過程で引用されています。このほかには「テキストログと数値ログの双方から総合的にシステム状態を分析することができる分析装置」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、エンカレッジ・テクノロジなどの計4件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、NTTの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はNEC(83件)、次いで富士通(52件)、パナソニックホールディングス(46件)となっています。
2位 NTTドコモの最も引用された特許は「ユーザ装置間通信をサポートする移動通信システム」に関する技術で、GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONSなどの計9件の審査過程で引用されています。このほか「レコメンド情報生成装置」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、ヤフーやBAIDU ONLINE NETWORK TECHNOLOGYなどの計4件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、NTTドコモの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はGUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS(44件)、次いでNEC、QUALCOMM(いずれも34件)です。
3位 KDDIの最も引用された特許は「車両におけるプローブ情報を収集あるいは送信するプローブ情報収集装置」に関する技術で、日立製作所など計5件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2022年に、KDDIの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はNEC(24件)、次いでNTT(18件)となっています。
そのほか、4位 NECプラットフォームズは「バスノイズ防止回路」、5位 IBMは「顧客にとって利便性の高い処理システム」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2022年12月までに公開された全特許のうち、2022年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2023年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
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