弊社はこのほど「鉄鋼・非鉄金属・金属製品業界」を対象に、2022年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「鉄鋼・非鉄金属・金属製品業界 他社牽制力ランキング2022」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2022年に最も引用された企業は、住友電気工業、次いで日本製鉄、JFEスチールとなりました。
【鉄鋼・非鉄金属・金属製品業界 他社牽制力ランキング2022 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
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住友電気工業 | 2,124 | |
日本製鉄 | 1,509 | |
JFEスチール | 888 | |
プロテリアル | 854 | |
古河電気工業 | 824 | |
神戸製鋼所 | 783 | |
フジクラ | 604 | |
三菱マテリアル | 533 | |
住友金属鉱山 | 332 | |
東洋製缶グループホールディングス | 294 | |
※当ランキングでは、企業グループを考慮した名寄せを行っております。
1位 住友電気工業の最も引用された特許は、昨年と同様に「抵抗温度特性、感度温度特性などのパラメ−タ値のばらつきが小さい薄膜歪抵抗材料」に関する技術で、ミネベアミツミの計28件の審査過程で引用されています。このほかには「圧粉磁心の製造方法」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、日本特殊陶業やTDKなどの計6件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、住友電気工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は矢崎総業(99件)、次いでデンソー(74件)、古河電気工業(73件)となっています。
2位 日本製鉄の最も引用された特許は「製造プロセスにおける所定の状態を表わす値の予測精度を向上させた制御システム」に関する技術で、JFEスチールの計6件の審査過程で引用されています。このほか「工場、倉庫、船内等などにおける作業車両用の安全装置」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、コベルコ建機などの計5件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、日本製鉄の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はJFEスチール(185件)、次いでPOSCO(43件)です。
3位 JFEスチールの最も引用された特許は「金属含有物からの還元金属の製造方法」に関する技術で、住友金属鉱山の「酸化鉱石の製錬方法」関連特許など計4件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2022年に、JFEスチールの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は日本製鉄(182件)、次いでPOSCO(26件)となっています。
そのほか、4位 プロテリアルは「窒化珪素焼結体基板及びその製造方法」、5位 古河電気工業は「電子デバイスパッケージ用テープ」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2022年12月までに公開された全特許のうち、2022年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2023年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
ランキングデータの販売
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その他、審査官引用分析に関する特定企業の調査依頼も別途承ります。