弊社はこのほど「機械業界」を対象に、2022年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「機械業界 他社牽制力ランキング2022」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2022年に最も引用された企業は、三菱重工業、次いでダイキン工業、豊田自動織機となりました。
【機械業界 他社牽制力ランキング2022 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
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三菱重工業 | 1,581 | |
ダイキン工業 | 1,143 | |
豊田自動織機 | 894 | |
IHI | 708 | |
クボタ | 696 | |
日本精工 | 653 | |
ヤンマーパワーテクノロジー | 568 | |
NTN | 548 | |
日立建機 | 516 | |
川崎重工業 | 465 | |
1位 三菱重工業の最も引用された特許は「複数の資材から製品を得る製造プロセスのための生産管理システム」に関する技術で、横河電機やNECなどの計5件の審査過程で引用されています。このほかには「電力需要予測装置、電力供給システム」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、本田技研工業などの計4件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、三菱重工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はトヨタ自動車(56件)、次いで三菱電機(43件)、東芝(37件)となっています。
2位 ダイキン工業の最も引用された特許は「パワー素子を備えた冷凍装置の電装品ユニットに関し、強電部品から生じるノイズが弱電部品に与える影響を抑制しつつ電装品ユニットの小型化を図る冷凍装置」に関する技術で、富士通ゼネラルの計6件の審査過程で引用されています。このほか「空調制御システム」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、富士通ゼネラルや三菱電機の計4件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、ダイキン工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は三菱電機(136件)、次いでパナソニックホールディングス(67件)です。
3位 豊田自動織機の最も引用された特許は「スモーク及び未燃分の燃料を低減することができる内燃機関」に関する技術で、マツダの「ディーゼルエンジンの燃料噴射制御装置」関連特許など計7件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2022年に、豊田自動織機の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はトヨタ自動車(72件)、次いでデンソー(39件)となっています。
そのほか、4位 IHIは「爆発物探知システム」、5位 クボタは「走行経路に沿って作業走行する自動走行作業車」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2022年12月までに公開された全特許のうち、2022年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2023年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
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