弊社はこのほど「遊技機業界」を対象に、2022年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「遊技機業界 他社牽制力ランキング2022」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2022年に最も引用された企業は、SANKYO、次いで京楽産業、サミーとなりました。
【遊技機業界 他社牽制力ランキング2022 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
SANKYO | 2,372 | |
京楽産業 | 1,241 | |
サミー | 1,010 | |
ソフィア | 729 | |
大都技研 | 648 | |
平和 | 648 | |
ユニバーサルエンターテインメント | 593 | |
ニューギン | 577 | |
藤商事 | 565 | |
三洋物産 | 551 | |
1位 SANKYOの最も引用された特許は「遊技者にとっての有利度を変更するための設定変更処理など所定操作を外部から確認することができる遊技機」に関する技術で、ユニバーサルエンターテインメントを中心に計42件の審査過程で引用されています。このほかには「遊技者が遊技履歴を勝手に初期化して他の遊技者が短期的な遊技履歴しか閲覧できなくなるといった不具合を効果的に抑制するスロットマシン」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、ユニバーサルエンターテインメントの計36件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、SANKYOの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は三洋物産(773件)、次いでサンセイアールアンドディ(605件)となっています。
2位 京楽産業の最も引用された特許は「始動口に入賞し易い特定遊技状態により遊技の興趣を向上可能にする遊技機」に関する技術で、ニューギンなどの計182件の審査過程で引用されています。このほか「記憶領域の容量の圧迫を抑えつつ新たな制御の追加を可能とする遊技機」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、ユニバーサルエンターテインメントの計28件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、京楽産業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はサンセイアールアンドディ(436件)、次いで三洋物産(399件)です。
3位 サミーの最も引用された特許は「斬新な遊技性が実現することができる遊技機」に関する技術で、三洋物産やSANKYOなど計23件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2022年に、サミーの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は三洋物産(436件)、次いでユニバーサルエンターテインメント(331件)となっています。
そのほか、4位 ソフィアは「表示演出の興趣を高める遊技機」、5位 大都技研は「演出手段に特徴を持った遊技台」、平和は「大当り遊技を経由せずに、時間短縮状態に移行させることができる遊技機」が最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2022年12月までに公開された全特許のうち、2022年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2023年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
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