弊社はこのほど「ゴム製品業界」を対象に、2022年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「ゴム製品業界 他社牽制力ランキング2022」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2022年に最も引用された企業は、ブリヂストン、次いで住友ゴム工業、横浜ゴムとなりました。
【ゴム製品業界 他社牽制力ランキング2022 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
ブリヂストン | 863 | |
住友ゴム工業 | 630 | |
横浜ゴム | 594 | |
TOYO TIRE | 272 | |
住友理工 | 269 | |
MICHELIN | 102 | |
バンドー化学 | 102 | |
ニッタ | 63 | |
THE GOODYEAR TIRE & RUBBER | 61 | |
三ツ星ベルト | 61 | |
※当ランキングでは、企業グループを考慮した名寄せを行っております。
1位 ブリヂストンの最も引用された特許は「作業性及び環境衛生上にも優れ、従来より更に高弾性かつ低発熱性を持つタイヤ」に関する技術で、大塚製薬の計6件の審査過程で引用されています。このほかには「重荷重用空気入りタイヤ」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、TOYO TIREの計5件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、ブリヂストンの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は住友ゴム工業(154件)、次いで横浜ゴム(84件)、TOYO TIRE(79件)となっています。
2位 住友ゴム工業の最も引用された特許は「ウェットグリップ性能、ドライグリップ性能、及び耐久性をバランス良く改善できる空気入りタイヤ」に関する技術で、ブリヂストンや日本ゼオンなどの計6件の審査過程で引用されています。このほか「ビード部の耐久性を向上できる空気入りタイヤ」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、TOYO TIREの計5件の拒絶理由として引用されています。
2022年に、住友ゴム工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は横浜ゴム(99件)、次いでTOYO TIRE(88件)、ブリヂストン(85件)です。
3位 横浜ゴムの最も引用された特許は「軽量化と極低周波域のロードノイズの問題を両立するようにした空気入りタイヤ」に関する技術で、住友ゴム工業の「重荷重用タイヤ」関連特許など計5件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2022年に、横浜ゴムの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は住友ゴム工業(137件)、次いでブリヂストン(91件)、TOYO TIRE(83件)となっています。
そのほか、4位 TOYO TIREは「外観性を向上した空気入りタイヤ」、5位 住友理工は「防音部材」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2022年12月までに公開された全特許のうち、2022年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2023年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
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