弊社はこのほど「ゲーム・エンターテインメント業界」を対象に、2023年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「ゲーム・エンターテインメント業界 他社牽制力ランキング2023」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2023年に最も引用された企業は、コナミデジタルエンタテインメント、次いでバンダイナムコエンターテインメント、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下表記SIE)となりました。
【ゲーム・エンターテインメント業界 他社牽制力ランキング2023 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
コナミデジタルエンタテインメント | 324 | |
バンダイナムコエンターテインメント | 323 | |
ソニー・インタラクティブエンタテインメント | 234 | |
セガ | 209 | |
任天堂 | 193 | |
コロプラ | 144 | |
ディー・エヌ・エー | 122 | |
グリー | 114 | |
スクウェア・エニックス・ホールディングス | 110 | |
カプコン | 85 | |
※当ランキングでは、企業グループを考慮した名寄せを行っております。
1位 コナミデジタルエンタテインメントの最も引用された特許は「複数のプレイヤ間でゲームデータを貸し借りできる機能を持ったゲームシステム」に関する技術で、コロプラなどの計6件の審査過程で引用されています。このほかには「ゲームの興趣性を向上させるためのゲーム制御方法」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、CYGAMESの計4件の拒絶理由として引用されています。
2023年に、コナミデジタルエンタテインメントの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はグリー(31件)、次いでコロプラ(26件)となっています。
2位 バンダイナムコエンターテインメントの最も引用された特許は「視聴者がゲームプレイを行う競技者を視聴者がバーチャルに援助し、好循環のサイクルを生み出すゲームシステム」に関する技術で、グリーなどの計7件の審査過程で引用されています。このほか「ゲームにおけるリワード広告表示システム」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、セガなどの計6件の拒絶理由として引用されています。
2023年に、バンダイナムコエンターテインメントの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はグリー(31件)、次いでコロプラ(29件)です。
3位 SIEの最も引用された特許は「ヘッドマウントディスプレイを装着したユーザの挙動履歴データを分析して3次元仮想空間での複数ユーザの視線方向を可視化する情報処理装置」に関する技術で、TOPPANホールディングスなど計4件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2023年に、SIEの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はグリー(11件)、次いでキヤノン(10件)となっています。
そのほか、4位 セガは「プレイヤの操作に応じて、アクションしやすい視点に切り替えるビデオゲーム用の画像表示装置」、5位 任天堂は「ユーザにゲームを通じて健康管理への継続的な動機づけを与える健康情報管理用ゲームシステム」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2023年12月までに公開された全特許のうち、2023年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2024年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
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