弊社はこのほど「窯業業界」を対象に、2024年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「窯業業界 他社牽制力ランキング2024」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2024年に最も引用された企業は、AGC、次いでTOTO、日本特殊陶業となりました。
【窯業業界 他社牽制力ランキング2024 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
AGC | 781 | |
TOTO | 482 | |
日本特殊陶業 | 373 | |
日本ガイシ | 357 | |
LIXIL | 337 | |
CORNING(米) | 223 | |
日本電気硝子 | 193 | |
日本板硝子 | 184 | |
太平洋セメント | 176 | |
住友大阪セメント | 156 | |
1位 AGCの最も引用された特許は「地球温暖化への影響が少なく、サイクル性能に優れる熱サイクル用作動媒体」に関する技術で、ダイキン工業の計16件の審査過程で引用されています。このほかには「既存の冷媒と代替可能なサイクル性能を有する熱サイクルシステム」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、こちらもダイキン工業の計9件の拒絶理由として引用されています。
2024年に、AGCの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はダイキン工業(72件)、次いで日本電気硝子(37件)となっています。
2位 TOTOの最も引用された特許は「アーク放電の発生を抑制することができる静電チャック」に関する技術で、日本特殊陶業や京セラなど計5件の審査過程で引用されています。このほか「使用者の排泄物に含まれる汚染物質の拡散を抑制できる衛生設備機器」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、パナソニックなどの計5件の拒絶理由として引用されています。
2024年に、TOTOの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はLIXIL(113件)、次いでパナソニック(26件)です。
3位 日本特殊陶業の最も引用された特許は「異常放電によるダストの発生を抑えることができる静電チャック」に関する技術で、TOTOなど計5件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2024年に、日本特殊陶業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はデンソー(33件)、次いで日本ガイシ(26件)となっています。
そのほか、4位 日本ガイシは「外周部の腐食を抑制可能なセラミックスヒータ」、5位 LIXILは「意匠性を向上させた建物外壁用の電動式シャッター」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2024年12月までに公開された全特許のうち、2024年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2025年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
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