弊社はこのほど「ハウスメーカー業界」を対象に、2024年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「ハウスメーカー業界 他社牽制力ランキング2024」をまとめました。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになります。
集計の結果、2024年に最も引用された企業は、大和ハウス工業、次いでミサワホーム、トヨタホームとなりました。
【ハウスメーカー業界 他社牽制力ランキング2024 上位10社】
順位 | 企業名 | 引用された 特許数 |
---|---|---|
大和ハウス工業 | 191 | |
ミサワホーム | 170 | |
トヨタホーム | 120 | |
積水ハウス | 108 | |
旭化成ホームズ | 70 | |
住友林業 | 63 | |
パナソニックホームズ | 51 | |
三井ホーム | 18 | |
住友林業ホームテック | 3 | |
ヤマダ・エスバイエルホーム | 2 | |
1位 大和ハウス工業の最も引用された特許は「居住者の洗濯物の片付け作業を自発的に行える、子育てファミリー向けの住宅」に関する技術で、積水ハウスなどの計4件の審査過程で引用されています。このほかには「マスクの膨らみを適切に保持し、顔に合わせて微調整できるフレーム状のマスクインナー」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、アーティストデザインなどの計3件の拒絶理由として引用されています。
2024年に、大和ハウス工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は積水ハウス(15件)、次いでパナソニック(8件)となっています。
2位 ミサワホームの特許のうち、最も他社に引用されたものは、トヨタホームとの共同保有による「訪問者認証システム」に関する技術であり、LIXILを含む計2件の審査過程で拒絶理由通知において引用されています。また、同様に引用件数の多い特許として、「セメントと木質材料を組み合わせた荷重および座屈に強い建築用構造部材」に関する技術があり、大成建設を含む計2件の拒絶理由通知で引用されています。
2024年に、ミサワホームの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は積水ハウス(23件)、次いで大和ハウス工業、パナソニック(いずれも8件)です。
3位 トヨタホームの最も引用された特許は「災害時給電システム」に関する技術で、トヨタ自動車やNTTアノードエナジーなど計5件の審査過程において拒絶理由として引用されています。
2024年に、トヨタホームの特許によって影響を受けた件数が最も多い企業はトヨタ自動車(20件)、次いでパナソニック(14件)となっています。
そのほか、4位 積水ハウスは「電子情報表示機能を持たせた配線装置」、5位 旭化成ホームズは「居住者の利便性を向上しつつ、住宅外から住宅内への不審者の侵入を抑制できるパントリー」が、最も引用された特許として挙げられます。
【ランキングの集計について】
日本特許庁に特許出願され、2024年12月までに公開された全特許のうち、2024年1月~12月末の期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を対象に、抽出・集計をしています。
また本ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っています。2025年5月時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性があります。
なお各企業の業種につきましては、総務省の日本標準産業分類等を参考に分類しています。
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