弊社はこのほど、水処理用の膜技術について、参入企業の競合状況に関する調査結果をまとめました。水処理膜には、精密ろ過膜、限外ろ過膜、逆浸透膜等がありますが、これらの技術は水処理インフラの心臓部であり、また日本企業の世界シェアが高い領域となっています。
今回の調査では、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」をベースとして、特許の質と量から総合的に見た評価を行いました。その結果、「総合力ランキング(※)」では、1位 東レ、2位 日東電工、3位 旭化成ケミカルズとなりました。
【水処理用 膜技術 特許総合力トップ5】
順位 | 企業名 | 総合力 (権利者スコア) |
開発規模 (出願件数) |
個別力 (権利者最高スコア) |
---|---|---|---|---|
東レ | 338.5 pt | 244 | 76.5 pt | |
日東電工 | 315.5 pt | 251 | 75.4 pt | |
旭化成ケミカルズ | 264.3 pt | 78 | 73.0 pt | |
東洋紡 | 142.6 pt | 76 | 79.9 pt | |
三菱レイヨン | 117.7 pt | 101 | 71.7 pt | |
図1:水処理用 膜技術 競合状況
拮抗状態にある総合力上位3社のうち、3位の旭化成ケミカルズは、出願件数が東レ、日東電工の3分の1ほどしかないにも関わらず上位グループに入っていることから、注目度の高い特許を多く保有していることがわかります。
膜種別に見ると、東レは精密ろ過膜、限外ろ過膜、逆浸透膜のいずれも総合力が高く、日東電工は特に逆浸透膜に、旭化成ケミカルズは精密ろ過膜と限外ろ過膜での総合力が高くなっています。
本分析の詳細については、定型レポート「水処理用 膜技術」にてご覧いただけます。
(※)総合力の評価では、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」を機関ごとに集計し、パテントスコアが50点以上のものを合算しています。50点以上のものだけを集計している理由は、パテントスコアが低くても特許件数が多いことによって総合力が上がってしまうことを防ぐためです。
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