弊社はこのほど、『自動運転関連技術』について、世界での特許総合力(※1)を示す「グローバルスコア(※2)」の企業ランキングを、特許分析ツール「Biz Cruncher」を用いて集計しました。
自動運転技術は、交通の安全性向上や利便性の革新を目指し、開発が加速しています。近年、国内外での実証実験や商用化が進展し、ロボタクシーや物流など幅広い分野での応用が進んでいます。しかし、安全性の確保、法整備、天候やインフラ対応といった課題が依然として存在し、これらの解決に向けた取り組みが求められています。本調査では『自動運転関連技術』全般について、日本、米国、欧州、中国の主要4国・地域における「パテントスコア」(個別特許の注目度を得点化)を合算し、世界における特許の質と量を総合的に見た評価を行いました。
集計の結果、「グローバルスコア 特許総合力ランキング」では、1位 トヨタ自動車、2位 FORD MOTOR(米)、3位 本田技研工業となりました(表1、図1、図2)。
【自動運転関連技術:グローバルスコア 特許総合力トップ5】(表1)
順位 | 企業名 | 総合力 (権利者スコア) |
有効特許件数 | 個別力 (最高スコア) |
---|---|---|---|---|
トヨタ自動車 | 34,822.4 | 10,005 | 93.0 | |
FORD MOTOR(米) | 27,233.3 | 3,843 | 98.2 | |
本田技研工業 | 17,766.5 | 4,428 | 93.0 | |
WAYMO(米) | 15,514.9 | 1,760 | 97.0 | |
日産自動車 | 14,087.7 | 2,369 | 93.9 |

図1:【自動運転】関連技術 競合状況

図2:【自動運転】関連技術 国別スコア内訳
1位 トヨタ自動車は日本、米国、中国特許の寄与が大きくなっています。注目度の高い特許には、「電気自動車の充電計画を時間帯別に最適化し、高効率配車を実現する充電効率管理付き配車システム」や「障害物を避けるための回避経路設定と効率的な車線変更制御を行う自動運転支援システム」などが挙げられます。
2位 FORD MOTORは米国、中国特許の寄与が大きくなっており、中国特許におけるランキングでは1位となっています。注目度の高い特許には、「車両の車線位置を検知し、運転者または自動運転システムに通知するための車両両側のカメラ映像を用いたニューラルネットワーク技術」や「車載センサーデータと周辺車両からの情報を活用してリスク評価を行い、リスク低減アクションを自動的に実行する車両用の運転支援システム」などが挙げられます。
3位 本田技研工業は日本、中国、米国特許の寄与が大きくなっています。注目度の高い特許は「運転乗合アプリケーションのための効率的な配車運用を実現するライドシェア管理装置」や「異常検知に基づき車両の制御内容を変更する車両制御装置」などがあります。
4位 WAYMOは「自律走行車が円滑に乗客をピックアップするための方法を提供する技術」などが、5位 日産自動車は「駐車スペースの存在をディスプレイ上に表示することで運転手に知らせる車両用の駐車支援システム」などが注目度の高い特許として挙げられます。
6位以下には、GENERAL MOTORS(米)、ROBERT BOSCH(独)などがランクインしています。
本分析の詳細については、『自動運転関連技術』グローバルスコア:ランキングデータにてご覧いただけます。
(※1)総合力の評価では、個別特許の注目度を得点化する、「パテントスコア」を企業ごとに集計し、パテントスコアが50点以上のものを合算しています。50点以上のものだけを集計している理由は、パテントスコアが低くても特許件数が多いことによって総合力が上がってしまうことを防ぐためです。
(※2)グローバルスコアは、日本、米国、欧州特許庁、中国の主要4国・地域の出願分についてパテントスコアを合算し、世界での技術競争力を評価したものです。
2024年11月28日までに発行された特許が対象。登録公報と、公開公報が重複している場合は、登録を優先しています。企業等は権利者ベースで集計しています。
ランキングデータ、定型レポートの販売
『自動運転関連技術』グローバルスコア:ランキングデータ
グローバルスコアを用いた総合力評価や出願件数などに基づく各種ランキングデータのご提供です。
【収録データ】
・グローバルスコアランキング 上位30社リスト
・有効特許件数ランキング 上位30社リスト
・開発規模(出願件数)ランキング 上位30社リスト
・競合状況分析マップ (権利者スコアマップ)
・母集団の公報リスト
【納品形態】
上記データを収録したエクセルファイルをメールで御納品。
データ一式を収録したCD-Rでの御納品をご希望の場合にはご相談ください。
【価格】
50,000円(税抜)
定型レポート 『自動運転関連技術』
「日本特許」「米国特許」「欧州特許」「中国特許」のパテントスコアを用いた定型レポートの作成も承っております。
レポートについてはこちらのページをご覧ください。