弊社はこのほど、『高分子フィルム関連技術』について、世界での特許総合力(※1)を示す「グローバルスコア(※2)」の企業ランキングを、特許分析ツール「Biz Cruncher」を用いて集計しました。
高分子フィルムは高分子化合物から作られた薄いシート状の材料で、包装材や自動車、電子機器、建設材料など多くの産業分野で幅広く使用されています。本調査では、『高分子フィルム関連技術』に注目し、日本、米国、欧州、中国の主要4国・地域における「パテントスコア」(個別特許の注目度を得点化)を合算し、世界における特許の質と量を総合的に見た評価を行いました。
集計の結果、「グローバルスコア 特許総合力ランキング」では、1位 東洋紡、2位 東レ、3位 LG CHEM(韓)となりました(表1、図1、図2)。
【高分子フィルム関連技術:グローバルスコア 特許総合力トップ5】(表1)
順位 | 企業名 | 総合力 (権利者スコア) |
有効特許件数 | 個別力 (最高スコア) |
---|---|---|---|---|
東洋紡 | 5,826.6 | 920 | 91.7 | |
東レ | 4,147.5 | 686 | 95.7 | |
LG CHEM(韓) | 3,871.6 | 841 | 89.0 | |
クラレ | 3,785.7 | 589 | 93.8 | |
三菱ケミカル | 3,743.2 | 827 | 89.1 |
図1:【高分子フィルム】関連技術 競合状況
図2:【高分子フィルム】関連技術 国別スコア内訳
1位 東洋紡は日本特許の寄与が大きく、グローバルスコアの内訳は日本特許が半数以上を占めています。注目度の高い特許には「ガスバリア性と耐熱性を持ち、低コストで高い加工性を実現可能なポリプロピレンフィルム」や、「強度と柔軟性を兼ね備え、有機化合物の吸着が少ない特性を持つポリエステル系シーラントフィルム」などが挙げられます。
2位 東レは日本特許に次いで中国特許の寄与が大きく、注目度の高い特許には「反射性、遮蔽性、および成膜安定性を兼ね備えた白色フィルム」や、「分離性能、高い膜強度、高い透過性能を有する分離膜」などが注目度の高い特許として挙げられます。
3位 LG CHEMは米国・中国特許のランキングにおいても1位となっています。注目度の高い特許には、「耐熱性や光透過性を持つ透明なポリイミドフィルムを製造するためのポリイミド系溶液」や、「自己修復機能や高耐摩耗性などを有するハードコーティングフィルム」などが挙げられます。
4位 クラレは中国特許の寄与が大きく、グローバルスコアの内訳は中国に次いで日本となっています。注目度の高い特許には「長尺化した際の折れやカールの発生を抑制することができるポリビニルアルコール系ポリマーフィルム」などが挙げられます。
5位 三菱ケミカルは日本特許の寄与が大きく、注目度の高い特許には「優れたガスバリア性と透明性を持つ多層フィルム」などが挙げられます。
6位以下には、DOW GLOBAL TECHNOLOGIES(米)、富士フイルム、BOREALIS(オーストリア)などの企業が上位にそれぞれランクインしています。
本分析の詳細については、『高分子フィルム関連技術』グローバルスコア:ランキングデータにてご覧いただけます。
(※1)総合力の評価では、個別特許の注目度を得点化する、「パテントスコア」を企業ごとに集計し、パテントスコアが50点以上のものを合算しています。50点以上のものだけを集計している理由は、パテントスコアが低くても特許件数が多いことによって総合力が上がってしまうことを防ぐためです。
(※2)グローバルスコアは、日本、米国、欧州特許庁、中国の主要4国・地域の出願分についてパテントスコアを合算し、世界での技術競争力を評価したものです。
2024年2月29日までに発行された特許が対象。登録公報と、公開公報が重複している場合は、登録を優先しています。企業等は権利者ベースで集計しています。
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