弊社はこのほど、GaNパワー半導体デバイス関連技術について、参入企業に関する調査結果をまとめました。
従来から使われているシリコン(Si)によるパワー半導体デバイスは、耐圧が理論限界値に近付いており、これ以上の改善は難しいとされています。そのため、Siと比べ、絶縁破壊電圧が高いSiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)といったワイドバンドギャップ型半導体が注目されています。これらの材料を用いることで、より電力損失を抑えることが可能になります。今回の調査では、特に「GaN」に着目しました。GaNパワー半導体デバイスはSiCと比較すると高周波特性に優れており、スイッチング電源などへの適用が考えられます。
本調査ではGaNパワー半導体デバイス関連特許を集計し、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」をベースとして、特許の質と量から総合的に見た評価を行いました(2011年1月末時点のパテントスコアに基づき評価)。
その結果、「総合力ランキング(※)」では、1位 CREE、2位 古河電気工業、3位 パナソニックとなりました。
【GaNパワー半導体デバイス関連技術 特許総合力トップ5】
順位 | 企業名 | 総合力 (権利者スコア) |
開発規模 (出願件数) |
個別力 (最高スコア) |
---|---|---|---|---|
CREE | 431.1 pt | 49 | 76.6 pt | |
古河電気工業 | 427.3 pt | 89 | 80.0 pt | |
パナソニック | 423.3 pt | 126 | 77.5 pt | |
住友電気工業 | 221.5 pt | 106 | 80.9 pt | |
International Rectifier | 194.6 pt | 25 | 66.7 pt | |
図1:GaNパワー半導体デバイス関連技術 競合状況
SiCパワー半導体デバイス関連技術と同様にCREEが1位となりましたが、2位古河電工、3位パナソニックとの差は非常に小さく、これら3社は他社よりも突出した結果となっています。また、最もパテントスコアが高い特許は住友電気工業による出願であり、同社は徐々に上位3社に接近しつつあります。
本分析の詳細については、定型レポートの「GaNパワー半導体デバイス関連技術」に掲載しています。
※総合力の評価では、個別特許の注目度を得点化する「パテントスコア」を企業ごとに集計し、そのうち分析母集団における平均点以上のパテントスコアの値を集計しています。平均点以上のものだけを集計している理由は、パテントスコアが低くても件数が多いことによって総合力が上がってしまうことを防ぐためです。
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定型レポート 『GaNパワー半導体デバイス関連技術』
参入企業の技術力と成長性を取りまとめたレポートです。
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---|---|---|---|---|
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